保育と子どもと私

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保育士の仕事。発達障害の人が保育士を目指せるのか。

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この前、知恵袋で「発達障害の人が保育士をめざせるかどうか」という質問を見ました。その質問された方の意見としては、「自分が発達障害だから、同じ障害を持った子どものことを理解してあげられるから」と書かれていました。

 

その場では賛否両論でしたが、私の知り合いでADHDアスペルガー傾向のある方で保育士をしている方がいましたのでその方と一緒に考えていきたいと思います。

 

 

 

 

保育士の仕事

「保育士の仕事」とひとくくりに言っても、保育園によってさまざまです。

 

でも、共通して言えるのは

・対人関係の職場

・子どもの命を預かる仕事

・てきぱきとやるべきことをやって期限をきっちりと守らないといけない仕事

・自分ができないと、周りの先生方がフォローしないといけなくなる仕事

・精神が強い人の方が向いている仕事

かなーと私は思います。

 

ADHDアスペルガーを持っているであろう知り合いの保育士

その知り合いの保育士にブログに記事を書いてもいいか確認したところ、個人が特定されないことが条件で了解をもらったのでいろいろ話を聞かせてもらいました。

(以下Aさんと呼びます)

Aさんは、ADHDの衝動性が特徴としてあり、人間関係も感情的になることでうまくいかないことが多かったそうです。

・一番苦労したことは・・・

Aさんに一番苦労したことと聞くと、やはり人間関係だったと話されていました。

アスペルガーADHDの特徴として、考えたことをすぐに行動に移してしまったり(衝動性)、小さいころから失敗が続き、自信がなくなり二次障害として鬱っぽくなったりするという特徴があるようです。

 

ですので、上の先生からのアドバイスも否定的にとらえてしまうことが多く、つらくなることが多かったようです。

 

また、運動会、生活発表会などでは

「前もって考えて準備して、当日臨機応変に動く【段取り力】」

が必要なのですが、そこも苦手だったようで、大きな行事でうまくできなくて落ち込むことも多かったと話されていました。

 

ADHDの不注意の部分

この部分こに関してもこのように話されていました。

「落ち着いてできているときには失敗も少ないんです。でも、心に余裕がなくなると子どもの荷物を入れ間違えたりものをなくしたりという失敗が出てきてしまいました。ワーキングメモリが少ないから、失敗してしまった時の行動を思い出そうと思っても思い出せなくて・・・結局自分を責めてしんどかったです。」

 

発達障害の傾向のある方は、その方のせいというよりは脳の機能障害だから、いくら自分が頑張っても難しい部分があると私も本で読んだことがあります(Aさんのように、思い出せないことや心に余裕がなくなる(キャパシティが小さい)ということ。

 

でも訓練次第でできるようになることもあるから

・自分でできることは工夫してできるようになること(例えば、忘れっぽいならメモを取る等、、、)や

・周りの理解、協力が必須だということも書かれていました。

 

保育園の現場

ただ、保育園の現場の現状では、

・子どものことを最優先に考えたい

・そのために、効率よくできるところは効率的にやりたい

・人間関係をうまくできた方が望ましい

・ミスが続くと保護者の信用を失う

・大きな行事では失敗が許されない

ということがありますので、発達障害だとわかって雇ってくれる園はあまりない気はします。でも、全くないわけではないと思います。

 

大きな保育園では、一年間に数回大きな行事があったり、担任を持つと20人以上のクラスを主担と副担という二人の先生で見ないといけなかったりするのですが、小さな保育園(託児所)や分園のある保育園などでは、小さな単位で動いているので先生との信頼関係も作りやすいのでないかと思います。

 

特徴を生かせる職場

Aさんは今でも保育士を続けられています。今は小さな保育園に転職し、周りの理解を得ながらお仕事をされているようです。

 

Aさんの口からは、悪いことばかりが飛び出していましたが、発達障害のある方の特徴として、【天真爛漫】【発想が豊か】【話しが面白い面白い人】などプラス面もたくさんあります。Aさんも、引き出しがたくさんあり、とっても楽しい方です。

 

発達障害があっても保育士になれるのか?という質問の答え(Aさんと一緒に考えました)

保育士になれる確率は50%だと思います。この50%の中には

・理解者となってくれる保育士の先生がいる

ことが条件になると思います。

 

また、

・やる気を失わず、投げやりにならず、自分のミスを認めながら

「私ってどうしてこんなにできないのだろう・・」という考えから

「どうやったらできるようになるのだろう」

と考えることができる力が必要だといえます。

そのためには、自分がなぜ保育士になりたかったのか”、という気持ちを忘れないことだとAさんは話されていました。

 

最後にAさんからひと言メッセージをもらいました。

「保育士って、発達障害を持っていなくても大変な仕事です。もちろん、やりがいもすごくあります。でも、人間関係は発達障害がある無いに関わらず難しいこともあるのを他の先生方を見ても感じました。保育士になったからってそのままではいけないし、研修などで勉強も繰り返しやります。私は保育士という仕事が好きだから乗り越えてこれたと感じます。今は小さな保育園で、失敗もありますが行事がない分、心に余裕があり、目が行き届く人数なので私のキャパを超えることがなく、毎日子どもたちと楽しく過ごせています。」

 

保育士以外の選択も考えてみる

発達障害を持つ方は、今まで苦労されてきた分、同じ障害を持った子どもたちの苦労もわかってあげられると思います。ただ、保育園・幼稚園に通う「幼児期」と言われている年齢の子どもたちは、グレーゾーンと言われる時期にいることが多く、はっきりと発達障害が診断されるのは小学校に入る前くらいではないでしょうか?

 

そう考えると、保育園にいる間に、発達障害の子どもの気持ちを分かって汲み取ってあげることも大切ですが、一番つらさを感じる小学校以上の子どもたちのケアが必要だと感じます。

特に、義務教育が終わり、社会人になる年齢以上の青少年と言われる年齢の人たちが一番ケアが必要なのではないでしょうか?

 

社会に出るための就職活動のときなどに、自分の特徴を理解し相談に乗ってくれる人がいてくれたらどれほど心強いでしょうか?

 今まで苦労してきたことを分かってくれて、これからの対策を一緒に考えてくれる理解者となってあげられる職業の方が、「発達障害の苦労やつらさを理解してあげて寄り添ってあげることを目的」とするなら、保育士という仕事以上に向いている仕事ではないかと私は考えます。