保育と子どもと私

保育・子どもに関する情報、健康についてを体験と共に書いています。部分的にでもお役に立てると嬉しいです!

小児肘内障にならない手のつなぎ方(1歳半くらい~)

子どもたちって、危険を予測する力がないから、大人が見てヒヤヒヤする行動をしたりしますよね。

私が、乳児と一緒に滑り台で遊んだとき、滑り台の滑り口のところの上のちょっとしたつかまれるところを見つけて「ブラーン」とぶら下がって落ちるんじゃないかとヒヤッとしましたが、本人はニッコニコしながらぶら下がっていました。

今回は、子どもたちが自分の力で持つということにポイントを置いて、手をつないだり、手を持って遊んであげる方法について考えてみました。

 

〈目次〉

 

小児肘内障(橈骨頭亜脱臼)とは? 

日常生活の中で、子どもの腕を引っ張ってしまって腕が抜けることがあります。

 子どもの腕が抜けるという表現をしますが、きちんとした言葉でいうと、「小児肘内障(しょうにちゅうないしょう)」といいます。

2-6歳ごろの幼児に起こりやすい肘の亜脱臼のことで、正式名称は「橈骨頭亜脱臼(とうこつとうあだっきゅう)」と言うんだそうです。

それではどんな時にが起きてしまうのでしょうか?

 

●大人が子どもの手を引っ張ってしまったとき

子どもが両手を挙げて抱っこをせがんでくるとき、脇を支えるのではなく、腕で持ち上げてしまった経験はありませんか??こういう状況のとき小児肘内障が起きてしまうことが多いです。

→これは、散歩のときに手をつないで歩く時にも言えることです。

大人が、子どもが転倒したときに支えてやらなければという思いで強くつかんでいればいるほど引っ張る力も強くなってしまいます。子どもの体重が、腕一本にかかってしまうので小児肘内障になってしまう可能性が高くなります。

→駄々をこねている、地面に横たわっている、大人が急いでいるのに子どもはマイペースに遊んでいるとき、つい「早くいくよ!」と手を引っ張ってしまうことがありますよね。そんなときも要注意です。特に地面に寝そべっている子どもは、体の力を抜いて手だけ伸ばす時があります。そんな時に大人の引っ張る力だけを使って、腕だけを引っ張って抱き起そうとすると肘が抜けてしまうことがあります。

 

保育園での研修で習ったこと

ここからは、私が、実際経験した中でのことをお話しできればと思います。

保育園の研修のときに、

・「子どもと手をつないで歩くときは、大人が子どもの手を握るのではなくて、大人が指一本(親指もしくは人差し指)をだしたものを子どもが握る形で歩くと、突然転倒した場合でも、大人が子どもの腕を引っ張ることはないから脱臼しにくい」

ということを習いました。

この上記のことは、「子どもたちが意識して握っていたら、腕に力が入っているので脱臼する可能性が低い」ということなのかなと保育をする中で実感してきました。

先ほど紹介した、子どもたちが鉄棒のようなものにブラーンとぶら下がることも、自分で意識的に(やりたくて)ぶら下がったのに脱臼したという事例は私自身は出会ったことがないので(医学的に調べたわけではないのすが・・・)それを使いながら毎日保育しています。

 

小児肘内障は、急に子供の手を引っ張るといことで起こっていることが多いようなので、子どもたちに意識させながら起こしてあげたり、遊んであげたりできたら大丈夫なのかなと確認しています。

 

子どもに手を握ってもらう

以下の写真は。子どもに、いつもやっているように、手を握ってもらった写真です。この握り方だと、小児肘内障にならずに体を起こしてあげたり、お散歩で手をつないであげたり、時々遊んであげたりすることもできるので、安全に過ごせると感じています。

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私の知り合いのパパさんママさんでも、小児肘内障のことを知らずに、子どもが両手を挙げて「グルグルして~」とおねだりされたときに、つい手首をもって持ち上げたりしている人がたまにいるので、そうやって持ち上げるよりかは、子どもたちに

「しっかりこの “おとうさん指” をぎゅってするんだよ」

と伝えながら、起こしてあげたり、遊んであげたりできたら危険が少ないのかなと思ってお伝えしました。私の保育経験10年ほどの中で、このやり方で小児肘内障になった子どもとは出会っていないので、使えるんじゃないかと思っています。

ただ、

過去に一度でも、小児肘内障になってしまったお子さんや、その他、様々な状況があると思いますので、すべてのお子さんに対応できるかは責任を持てません。

ゆったりのんびり、子どもと目線を合わせながら、気持ちを通わせながら遊ぶ遊びのときに子どもの「やりたい!」という気持ちを大事にしながら、子どものペースに合わせて遊んであげられたらいいかなーと思います。

★まとめ・ポイント★

・子どもと手をつなぐときは(手を離さないで一緒に歩けることが前提です)、大人の親指か人差し指を子どもに握ってもらい、残りの4本の指を子どもの手に添える。

・子どもを抱き起すときは、大人の両手の親指を出して両方の親指を内側に倒してその状態で子どもにその親指を握らせてあげる。そして残り4本の指を子どもがつかんでいる手の甲の部分に添えてあげる

・子どもの様子を見ながら、「いくよ~、ぎゅっとしててよ」と声をかけながら、子どもがしっかり大人の親指を握っているのを確認しながら、子どもも腹筋を使いながら起きようとしている姿を確認出来てから、ゆっくり起こしてあげる。

・子どもが、大人の親指を握る力が弱い場合は、危険なのでやらない。しっかり握れていることが確認できていないと危険。

・絶対に大人の力で先に引っ張らない。寝そべった状態で、大人の親指に捕まって、子ども自らの力で体を起こそうとしていたらその力に合わせて引っ張ってあげる。

・あくまでも、わらべうたのような、ゆったりとしたふれあい遊びの時間に親子のコミュニケーションの一つとして使ってください(申し訳ありませんが、実際お会いしてお伝えしているわけではないので、責任は負えません)